多角的視点で、より良い臨床研究へ

J-SUPPORTでは、専門領域の評価員に加えて、領域外の評価員、生物統計家、さらには患者・市民代表といった医療者以外の外部評価員も交え、研究の社会的妥当性・倫理性・実現可能性を総合的に審査します。その中核を担うのが科学諮問会議(SAM:Scientific Advisory Meeting)です

研究審査体制について

 各専門領域で議論・作成されたプロトコールコンセプトは、その領域の専門家に加え、領域外の評価員、生物統計家、患者・市民代表などの外部評価員、といった多様なメンバーによって審査します。これにより、医学的な専門性に加えて、社会的な意義や患者視点からの妥当性も含め、多角的な検討が可能になります。

科学諮問会議(SAM)とは

SAMは、領域内外の専門家による科学的評価と、患者・市民代表による社会的評価を組み合わせ、研究課題を多面的に検討する場です。

 

J-SUPPORTのSAMの特徴

書類審査プレゼンテーション質疑応答を実施

・研究の社会的妥当性倫理性実現可能性出口戦略を総合評価

・研究計画を改善するための建設的な助言を重視

・若手研究者の積極的な参加を推奨

 

SAMで評定を受け、執行委員会による研究承認がなされた研究課題は、J-SUPPORT研究番号が付与され、 J-SUPPORT承認研究として支援することが決定します。

研究審査申込みからSAMまでの流れ

SAMまでの流れ
1. 研究審査申込み(SAM申し込み)【SAM実施日の約10週前】

 ■臨床研究相談がお済みの方

  すでにJ-SUPPORTへの臨床研究相談をされている方は、以下の手順でSAMの申込みを行ってください。

   1. 担当メンターを通じて、研究審査申込みの希望をお伝えください。

   2. 担当メンターより申込みに対する了承が得られましたら、以下の手順でお申込みください。

    ・「研究審査申込書」をダウンロードし、必要事項をご記入ください。

    ・ご記入後、J-SUPPORT運営事務局(j-supportcore@ncc.go.jp)までご提出ください。

 

 ■臨床研究相談がお済みでない方

   J-SUPPORTへの臨床研究相談がまだお済みでない方は、先に研究相談のお申込みが必要です。

   ・「臨床研究 相談申込書」をダウンロードし、必要事項をご記入ください。

   ・「臨床研究 相談申し込みフォーム」よりご提出をお願いいたします。

    ※研究相談は無料です。あわせてJ-SUPPORT会員登録もお願いいたします。

2. 研究審査資料の作成と提出【SAM実施日の約8週前】

  「研究審査申込書」をJ-SUPPORT運営事務局が受理した後、申込者の方には以下のご連絡を差し上げます。

   ・SAMの日程調整

   ・SAM実施までのスケジュール・手順のご案内

   ・必要資料のご提出依頼

  下記の資料をご準備のうえ、期日までにご提出をお願いいたします。

 

  ① 研究説明会用スライド【提出期限:SAM実施日の6週間前】

    J-SUPPORTでは、臨床研究における患者・市民参画(PPI:Patient and Public Involvement)を推進しています。

    事前研究説明会では、患者・市民代表評価員(PPI評価員)が研究内容を正しく理解し、適切に評価できるよう、WEB形式で研究計画の概要をご説明いただきます。

   【事前研究説明会の概要】

    ・プレゼンテーション時間:約10分

    ・質疑応答を含めた全体時間:最大30分

    ・質疑応答では、専門用語の補足説明が中心となり、エンドポイントの妥当性など、専門的・技術的な議論は行いません

   【プレゼンテーションスライドについて】

    ・枚数の目安:約10枚(10分程度の発表を想定)

    ・内容例:背景、試験デザイン、方法、期待される結果、出口戦略 など

    ・PPI評価員向けの内容であるため、専門用語の使用は控え、できる限り平易な表現で作成ください

    ・「どのような試験であるか」「どのような評価を行うのか」「試験の結果、何が明らかになるのか」を説明できる内容にしてください

 

  ② SAM用資料【提出期限:SAM実施日の4週間前】

    以下の資料をご提出いただきます。

   【提出資料】

      1. プロトコールコンセプト(研究計画書案)

             2. TLFs案 (Tables Listings and Figures)

        ・事務局より、TLFsの参考資料(PPT形式)をお送りします

              3. その他の補足資料(必要に応じて)

      ・例:同意説明文書、患者日誌、実施手順書など、研究コンセプトの理解に資する資料

     2および3の資料提出は必須ではありませんが、特に3. の同意説明文書や患者日誌のような患者の視点に関わる資料については、PPI審査員からの

           意見を得られる貴重な機会となりますので、可能な限りのご提出を推奨いたします。

          資料受領後、J-SUPPORT運営事務局より評価員に資料を送付し、その後、評価員からの質問票を研究者の方へお送りします。

 3. 質問回答・資料修正の提出【SAM実施の1週前】

   評価員からの質問票に対して回答いただきます。評価員はその回答内容をもとに事前評価を行います。SAM実施の1週前を目安に、以下の書類をご提出ください。

         【提出書類】

       1. 評価員からの質問票への回答

       2. SAM当日の発表用スライド

       3. 修正済みのプロトコールコンセプト(評価員からの指摘を受けて修正があった場合)

4. 科学諮問会議(SAM)

   SAMは、対面もしくはWEB形式で実施され、所要時間は約90~120分です。

   【参加者】

    ・研究審査申込者(研究代表者、研究事務局)

    ・審査を受けるプロトコールコンセプトの作成に関わった統計学の専門家WGの必須人員(メンターやその他の研究協力者)

    ・J-SUPPORT代表、運営事務局長、運営事務局員

    ・評価員

      ・領域内※1の科学諮問委員:2名

      ・領域外※1の科学諮問委員:2名

      ・生物統計家:1名(必要に応じてデータマネージャーも担当)

      ・患者・市民代表:1名~2名

    ・執行委員、科学諮問委員会委員(評価員を担当を除く)、ディレクター※2

            ※1 支持療法領域の研究審査の場合、「領域内」=支持療法領域、「領域外」=緩和医療領域または心理社会的ケア・

       サバイバーシップケア領域、の委員が評価員を担当します

            ※2 執行委員、科学諮問委員会委員、ディレクターはオブザーバーとしての任意参加です

     【進行の流れ】

            ・事務連絡、研究者・評価員紹介:約15分

    ・研究審査申込者による研究発表:約15分

    ・評価員による質疑:評価員1名あたり約10分(例:6名の場合は約60分)

   【審査の流れ】

    SAM終了後、J-SUPPORT科学諮問委員会で審議を行い、その後、執行委員会で最終審議を行います。

        執行委員会で承認された研究課題は「J-SUPPORT研究」として正式に登録され、J-SUPPORT研究番号が付与されます。

    審査悔過は、SAM実施から概ね約2~3週間以内にJ-SUPPORT運営事務局よりご連絡いたします。

J-SUPPORT承認研究となった場合に受けられるサポート

・研究費申請に関する相談・助言

・試験薬製造およびデータ管理体制に関する相談・助言(侵襲かつ介入を伴う研究の場合)

・データ管理体制構築(侵襲かつ介入を伴う研究の場合)

・各種研究関連文書作成に関する相談・助言

・研究計画書作成における研究デザインのアドバイスや統計学的支援

・研究マネージメント支援

・プレゼンテーション、論文作成・投稿に関する相談・助言

補足情報

・J-SUPPORT承認研究では、論文のAuthorship(著者規定)を研究計画書(フルプロトコール)内に記載いただきます

・J-SUPPORT承認研究では、研究者が取得した研究費からJ-SUPPORTに一部配分いただきます

・J-SUPPORTで研究を支援する際の研究ロードマップ(一例)はこちらからご覧いただけます

・J-SUPPORT ポリシー No.2研究細則はこちらからご覧いただけます